「うちは財産も少ないし、家族みんな仲が良いから相続で揉めることはない」
「遺言書は、お金持ちが書くものでしょ?」
このようにお考えではありませんか?
結論から申し上げますと、遺言者は財産の大きさ問わずご家族にとって有用なものです。
本記事では、遺言書がなぜご家族の負担を減らすために重要なのか、その理由を分かりやすく解説します。
遺言書は「ご家族の手続き負担を大幅に減らすツール」です
遺言書の最大のメリットは、「家族間の感情的な争いを防ぐ」ことだけではありません。最も重要なのは、残されたご家族の「煩雑な相続手続きの負担を減らすこと」です。
亡くなった方の銀行口座を解約したり、不動産の名義を変更したりする際、遺言書がある場合とない場合では、残されたご家族の手間に大きな差が生じます。
【遺言書の有無による相続手続きの違い】
| 項目 | 遺言書が「ない」場合 | 遺言書が「ある」場合 |
| 必要な手続き | 相続人全員による「遺産分割協議」 | 遺言書に基づく各種名義変更・解約 |
| 関係者の範囲 | 相続人全員(疎遠な親族が含まれる場合も) | 遺言書で指定された方、または遺言執行者 |
| 必要な印鑑 | 相続人全員の「実印」と「印鑑証明書」 | 手続きをする方の印鑑(指定がある場合) |
| 手続きのスピード | 全員の合意形成が必要なため、時間がかかる | スムーズに手続きを進められる |
| 精神的な負担 | 全員と連絡を取り、合意を得る重圧がある | 故人の意思が明確なため、負担が少ない |
遺言書によって「誰に・何を・どれだけ残すか」が明確になっていれば、面倒な協議を省略し、スムーズに各種手続きを進めることが可能になります。
相続トラブルの約7割以上は「遺産5,000万円以下」の家庭で起きている
家庭裁判所に持ち込まれる遺産分割事件のうち、実は遺産総額が5,000万円以下のケースが全体の約7割〜8割を占めています。「財産が少ないから大丈夫」というのは大きな誤解です。
多額の現金があれば分割しやすいですが、遺産の多くが「実家(不動産)」や「少額の預貯金」のみという場合、1円単位できっちり平等に分けることが難しいため、分け方を巡って意見が対立しやすくなります。
仲が良い家族でも相続手続きが行き詰まる3つの要因
今まで仲の良かったご家族でも、いざ相続が発生すると以下のような理由で手続きがストップしてしまうことがあります。
1. 分けにくい「不動産(実家)」の存在
「自分がそのまま実家に住み続けたい」という相続人と、「誰も住まないなら売却して現金で分けたい」という相続人の間で意見が分かれるケースです。不動産は簡単に切り分けられないため、あらかじめ誰が取得するのかを指定しておかないと、話し合いが長引く原因になります。
2. 介護の負担などによる不公平感
「自分は長年親の介護をしてきたのだから多めに受け取りたい」と考える相続人と、「法律で定められた割合(法定相続分)通りに分けるべきだ」と考える相続人の間で、感情的なすれ違いが生じることがあります。
3. 「遺産分割協議」における全員合意の壁
遺言書がない場合の遺産分割協議は、相続人全員の参加と合意、そして実印の押印(印鑑証明書の添付)が必須です。
兄弟間では納得していても、それぞれの配偶者が意見を出してきたり、遠方に住んでいて疎遠な相続人がいたりする場合、手続きが一切進まず、銀行口座が凍結されたままになってしまうリスクがあります。
まとめ:遺言書の作成は「予防法務」の第一歩
「うちの家族に限って揉めるはずがない」という思い込みは捨て、万が一の事態に備えて手続きの道筋を立てておくことが大切です。遺言書の作成は、残されるご家族が仲良く、そして面倒な手続きに悩まされずに済むための「最大の思いやり」と言えます。
法的に有効で、かつご家族の負担を最小限に抑える遺言書の文案作成などにお悩みの際は、専門家である行政書士にご相談ください。予防法務の観点から、お客様の状況に合わせた最適なご提案をいたします。ご来所での相談はもちろん、全国からのオンライン相談にも対応しております。
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