企業間取引や業務委託において、最初に取り交わされることが多い「秘密保持契約書(NDA:Non-Disclosure Agreement)」。
「とりあえずネットのひな形で済ませている」 「相手から提示されたものをそのまま押印している」
このようなケースも少なくありません。しかし、自社の重要なノウハウや顧客情報を守るためには、NDAの役割を正しく理解し、契約内容を精査することが不可欠です。 本記事では、秘密保持契約書の重要性について実務上の観点から解説します。
秘密保持契約書(NDA)とは?
秘密保持契約書とは、取引の過程で相手方に開示する営業秘密や個人情報などについて、目的外利用や第三者への開示・漏洩を禁止する契約です。 業務委託、システム開発、M&Aの検討、新規プロジェクトの立ち上げなど、自社の内部情報を外部に提供するあらゆる場面で締結されます。
なぜNDAの締結が重要なのか?(3つの理由)
1.情報漏洩・不正利用の防止と抑止効果
自社の技術データ、顧客リスト、経営情報などの流出を防ぐことが最大の目的です。 契約によって「何が秘密情報に該当するか」を明確にすることで、相手方の情報管理意識を高め、結果として漏洩や不正利用の抑止効果が期待できます。
2.トラブル発生時の法的根拠となる
万が一、情報漏洩やノウハウの無断使用が発生した場合、口頭の約束のみでは責任追及が困難になることがあります。 あらかじめ契約書で義務や責任の範囲、損害賠償に関する事項を定めておくことで、損害賠償請求や差止請求等の法的措置を検討する際の重要な根拠となります。
3.不正競争防止法上の「営業秘密」を守る基盤となる
法律上「営業秘密」として保護されるためには、以下の3つの要件を満たす必要があります。
- 秘密管理性(秘密として管理されていること)
- 有用性(事業活動に有用な情報であること)
- 非公知性(公に知られていないこと)
NDAの締結は、このうち「秘密管理性」を基礎づける重要な要素の一つです。 (※もっとも、秘密管理性が認められるためには、アクセス制限や社内規程の整備など、実際の管理体制の構築もあわせて必要となります。)
▶ 次回予告 今回はNDAの重要性について解説しました。しかし、実際に契約を結ぶ際、ネット上にある「無料のひな形」をそのまま使うことには思わぬ危険が潜んでいます。 次回の後編では、「ひな形利用の3つのリスクと締結時の注意点」について解説します。
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