相続・遺言 用語集
あ行
遺産整理(いさんせいり)
亡くなった方の財産を解約し、各相続人へ分配する手続き全般のことです。金融機関(銀行・証券会社)での煩雑な解約や名義変更の手続きが含まれ、行政書士が代行することが可能です。
遺産分割協議(いさんぶんかつきょうぎ)
相続人が複数いる場合に、誰がどの財産をどのくらい引き継ぐかを話し合って決めることです。相続人全員の合意が必要となります。
遺産分割協議書(いさんぶんかつきょうぎしょ)
遺産分割協議で合意した内容をまとめた書類です。預貯金の名義変更や不動産の相続登記など、各種手続きにおいて法務局や銀行から提出を求められる法的に極めて重要な書面です。
遺贈(いぞう)
遺言によって、自分の財産の全部または一部を、特定の人や団体に無償で譲ることを指します。相続人以外の親族や、お世話になった知人、公益団体などに財産を遺したい場合に活用されます。
遺留分(いりゅうぶん)
配偶者や子などの法定相続人に最低限保障されている、遺産の取り分です。たとえ遺言で「全財産を他人に譲る」と書かれていても、遺留分を持つ相続人は、一定の範囲で財産を取り戻す請求が可能です。
遺留分侵害額請求(いりゅうぶんしんがいがくせいきゅう)
遺留分(最低限の取り分)を侵害された相続人が、財産を多く受け取った人(受遺者や受贈者)に対して、侵害された額に相当する金銭の支払いを請求することです。以前は「遺留分減殺請求」と呼ばれていました。
遺言(いごん・ゆいごん)
自分が亡くなった後の財産の処分方法などについて、生前に意思表示をしておく法的な文書です。法的に有効な遺言書がある場合、原則として法定相続分よりも遺言の内容が優先されます。
遺言執行者(いごんしっこうしゃ)
遺言の内容を具体的に実現するため、各種手続き(預貯金の解約や不動産の名義変更手配など)を行う責任者のことです。遺言書の中で指定しておくことができ、行政書士などの専門家が受任することで、死後の手続きが非常にスムーズに進みます。
エンディングノート(えんでぃんぐのーと)
自分に万が一のことがあった時に備え、財産の情報や家族へのメッセージ、葬儀の希望などを書き留めておくノートです。遺言書と違って法的効力はありませんが、終活の第一歩や遺言書作成の準備として活用されます。
か行
換価分割(かんかぶんかつ)
不動産などの分けにくい遺産を売却して現金に換え、その現金を相続人間で分ける遺産分割の方法です。公平に分けやすいメリットがありますが、売却の手間や税金がかかる場合があります。
寄与分(きよぶん)
亡くなった人の財産の維持や増加に特別に貢献した(例:無償で家業を手伝った、長年介護に尽くしたなど)相続人がいる場合に、その貢献度に応じて相続分を増やす制度です。
検認(けんにん)
家庭裁判所が遺言書の形状や内容を確認し、偽造や変造を防止するための手続きです。「自筆証書遺言」が見つかった場合(法務局保管制度を利用していない場合)は、勝手に開封せず裁判所で検認を受ける必要があります。
限定承認(げんていしょうにん)
相続した「プラスの財産の範囲内」で、「マイナスの財産(借金など)」を引き継ぐ相続の方法です。借金の全容が不明な場合などに有効ですが、手続きが非常に複雑なため、期限内(3ヶ月以内)に専門家へ相談することが推奨されます。
口座凍結(こうざとうけつ)
金融機関が名義人の死亡の事実を知った際、預貯金を引き出せないように口座をロックすることです。凍結を解除し払い戻しを受けるには、戸籍謄本一式や遺産分割協議書など、厳格な書類の提出が求められます。
公正証書遺言(こうせいしょうしょいごん)
公証役場で公証人が作成する遺言書です。原本が公証役場に保管されるため紛失や改ざんのリスクがなく、死後の裁判所での「検認」も不要なため、最も確実で実務上強く推奨される形式です。作成には2名の証人が必要です。
戸籍収集(こせきしゅうしゅう)
誰が正当な相続人であるかを客観的に証明するため、亡くなった方の「出生から死亡まで」の連続した戸籍謄本などを集める作業です。本籍地が全国に散らばっている場合などは非常に手間がかかりますが、行政書士が職権で代行・収集することが可能です。
さ行
再転相続(さいてんそうぞく)
相続人が、承認または放棄を選択する前に亡くなってしまい、その人の相続人が代わりに承認・放棄の選択権を引き継ぐことを指します。
財産目録(ざいさんもくろく)
預貯金、不動産、有価証券などのプラスの財産から、借金などのマイナスの財産まで、遺産全体を客観的に一覧表にしたものです。遺産分割協議を公平かつスムーズに進めるための必須資料となります。
死後事務委任契約(しごじむいにんけいやく)
自分が亡くなった後の葬儀や納骨、病院・施設の精算、遺品整理や各種解約手続きなどを、生前に第三者(専門家など)に委任しておく契約です。身寄りのない方(おひとりさま)の終活としてニーズが高まっています。
自筆証書遺言(じひつしょうしょいごん)
本人が全文を自筆で作成する遺言書です。手軽に作成できますが、形式の不備で無効になるリスクがあります。現在は、法務局で遺言書を安全に預かる「自筆証書遺言書保管制度」を利用することで、紛失リスクや検認の手間を省くことが可能です。
証人(しょうにん)
公正証書遺言を作成する際、本人であることを確認し、内容が本人の真意に基づくものであることを見届ける役割を持つ人のことです。法律により2名以上の立ち会いが必要とされており、当事務所で手配・同行することが可能です。
数次相続(すうじそうぞく)
ある方の相続手続きが終わらないうちに、相続人の一人が亡くなり、次の相続が開始してしまっている状態のことです。関係者が増えて遺産分割協議が難航しやすいため、専門家のサポートが必要になるケースが多いです。
生前贈与(せいぜんぞうよ)
生きているうちに自分の財産を他の人(推定相続人や孫など)に無償で譲ることです。将来の相続税対策や、特定の人に確実に財産を渡すための「争族対策」として活用されます。
成年後見制度(せいねんこうけんせいど)
認知症などで判断能力が低下した方のために、家庭裁判所が援助者(成年後見人等)を選任し、財産管理や各種契約行為を保護・サポートする制度です。
争族(そうぞく)
遺産を巡って親族間で感情的な対立や争いが起きてしまうことを指す造語です。客観的な財産調査と、遺留分などの法的な権利を考慮した生前の対策(遺言書の作成など)が最大の予防策となります。
相続関係説明図(そうぞくかんけいせつめいず)
収集した戸籍謄本をもとに、亡くなった方と相続人の関係を分かりやすく家系図のようにまとめた図面です。金融機関や法務局での手続きをスムーズに進めるために作成・提出します。
相続税申告(そうぞくぜいしんこく)
遺産総額が基礎控除額を超える場合、相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に税務署へ行う申告手続です。申告が必要な案件については、当事務所と提携する税理士と連携してワンストップで対応します。
相続登記(そうぞくとうき)
亡くなった方の不動産(土地・建物)の名義を、相続人に書き換える手続きです。2024年4月より相続登記が義務化されました。実際の登記申請は、当事務所と提携する司法書士が担当いたします。
相続放棄(そうぞくほうき)
プラスの財産もマイナスの財産(借金など)も、一切の相続権を拒否することです。原則として、相続開始を知った時から「3ヶ月以内」に家庭裁判所へ申し立てる必要があります。
た行
代襲相続(だいしゅうそうぞく)
相続人となるべき子や兄弟姉妹が、相続開始以前に亡くなっているなどの理由により、その人の子(孫や甥・姪)が代わりに相続権を引き継ぐことです。
単純承認(たんじゅんしょうにん)
被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も、すべて無条件で引き継ぐ一般的な相続の方法です。遺産を一部でも処分したり、3ヶ月の期限内に相続放棄等をしなかった場合は、単純承認をしたとみなされます。
デジタル遺品(でじたるいひん)
亡くなった方がパソコンやスマートフォン内に残したデータや、ネット銀行、証券口座、SNSのアカウントなどのことです。パスワードが分からず遺族が手続きに困るケースが増えているため、生前の対策が重要です。
特定遺贈/包括遺贈(とくていいぞう/ほうかついぞう)
遺言で財産を譲る際、「〇〇の土地を譲る」と特定の財産を指定する方法を「特定遺贈」、「全財産の3分の1を譲る」と割合で指定する方法を「包括遺贈」といいます。どちらを選ぶかで、譲り受ける人の権利や義務が大きく変わります。
特別受益(とくべつじゅえき)
特定の相続人が、生前に結婚資金や住宅購入資金などの援助を亡くなった人から受けていた場合、それを「遺産の先渡し」とみなして、相続分の計算時に調整する制度です。
は行
被相続人(ひそうぞくにん)
亡くなった人のことです。財産を「相続される側」の人のことを指します。
負担付遺贈(ふたんつきいぞう)
「残されたペットの世話をしてくれる代わりに、100万円を譲る」といったように、財産を譲る条件として、相手に何らかの義務(負担)を課す遺言の方法です。
付言事項(ふげんじこう)
遺言書の中で、財産の分け方などの法的指示以外に書き添えるメッセージのことです。なぜそのような分け方にしたのかという理由や、家族への感謝の気持ちなどを綴ることで、相続人間での感情的なしこりを防ぐ効果が期待できます。
法定相続情報証明制度(ほうていそうぞくじょうほうしょうめいせいど)
法務局に必要な戸籍謄本一式と家系図(一覧図)を提出すると、無料で「法定相続情報一覧図の写し(証明書)」が交付される制度です。これがあれば、複数の銀行などで同時に相続手続きを進めることができ、大幅な時間短縮になります。
法定相続人(ほうていそうぞくにん)
民法で定められた、財産を相続する権利がある人のことです。配偶者は常に相続人となり、それ以外の親族は「子」「直系尊属(父母など)」「兄弟姉妹」の順に、優先順位が高い人が相続人となります。
法定相続分(ほうていそうぞくぶん)
民法で定められた、各相続人が受け取る財産の目安となる割合です。あくまで目安であり、遺言や遺産分割協議によってこれと異なる割合で分けることも可能です。
ま行
みなし相続財産(みなしそうぞくざいさん)
民法上の相続財産(遺産分割の対象)ではありませんが、相続税の計算上は「被相続人から受け継いだ財産」とみなされて課税対象となる財産のことです。死亡保険金や死亡退職金などが該当します。
